グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


神尾記念病院(東京都千代田区神田)は、耳鼻咽喉科疾患に対する高度医療を提供する専門病院です。



ホーム  > 取り組みと実績  > 医療の知識・技術向上への取り組み  > 学会出席・発表  > 第24回 日本耳科学会総会・学術講演会で発表

第24回 日本耳科学会総会・学術講演会で発表

平成26年10月15日から18日にかけて新潟県の朱鷺メッセに於いて開催された、第24回 日本耳科学会総会・学術講演会に、石井賢治医師、田中健医師、林賢医師の3名が出席し、それぞれ一般演題の発表を行いました。

小児特発性外リンパ瘻の1例(石井医師)

発表中の石井医師

石井医師は「小児特発性外リンパ瘻の1例」と題し、耳鳴、めまい、嘔吐などの症状があり、臨床所見より外リンパ瘻が疑われ当院に紹介された7歳の患者さんについて、聴力検査の結果、高度感音難聴があり眼振も認められたこと、CT所見では内耳奇形はなく鼓室内に貯留液も認められなかったこと、当院受診時にはめまい、眼振は消失していたことなどから、ご家族と相談の上、試験的鼓室開放術を行い外リンパ瘻の有無を確認することとなったという経緯を説明しました。

次に、発症後7日目に試験的鼓室開放術を行い、頸部圧迫にて正円窓からリンパ液の漏出が認められ、瘻孔と思われる部位を確認できたため外リンパ瘻と診断し、内耳窓閉鎖術を行ったことを説明しました。

そしてIkezonoらが発見した外リンパ液のマーカーであるCochlin-tomoprotein(CTP)は感度、特異度が高く、検出により確定診断が得られるため、早期の測定キット化と保険診療への適応が望まれると結びました。

Gusherを来した混合性難聴の一症例(田中医師)

鼓室形成術執刀中の田中医師

田中医師は「Gusherを来した混合性難聴の一症例」と題した発表を行いました。

本報告の症例は、幼少期より両側難聴で補聴器を使用しており、他院で耳硬化症と診断されアブミ骨可動化術を施行されるも聴力の改善がなかったため当院を受診した患者さんで、両耳に混合性難聴があり、田中医師は聴力改善のため右耳の再手術を行いました。

田中医師は術中所見として、鼓室内を観察するとアブミ骨が骨折しており、底板とようやく連続している状態だったこと、アブミ骨上部構造を摘出しローゼン氏探針で底板に小穿孔したところ、多量の噴出するリンパ液(Gusher)を認めたこと、筋膜を底板上に置いて圧迫しつつフィブリン糊を滴下し、ようやくリンパ液の停止に至ったこと、耳介軟骨をキヌタ骨長脚とアブミ骨底板の間に挿入し、伝音再建とリンパ液の漏出防止としたことを説明しました。

そして、術後1日目の骨導低下はなく眼振やめまいもなかったため、術後7日目で退院となったこと、術後5カ月の時点では術前と比べて骨導の低下はないものの聴力改善もしておらず、引き続き経過観察中であることを説明しました。

最後に、手術中に予期していなかったGusherを経験したが、通常の鼓室形成術Ⅳi型でGusherを停止させ、リンパ液漏出の再発も認めなかったため、本報告を行ったと結びました。

BDNFシグナルとオートファジーを焦点とした耳鳴分子ネットワーク(林医師)

発表中の林医師

林医師は「BDNFシグナルとオートファジーを焦点とした耳鳴分子ネットワーク」と題し、慶應大学医学部耳鼻咽喉科に於いて行っている共同研究について発表を行いました。

林医師は、自身と研究グループが、脳由来神経栄養因子(BDNF)は、うつ病のみならず耳鳴についてもバイオマーカーになり得ると報告されているものの、内耳感覚細胞レベルでの耳鳴発症とBDNFとの関係については明らかにはなっていないことに着目し、内耳培養細胞HEI-OC1に細胞内ストレスである小胞体ストレスを暴露し、BDNFシグナルと細胞品質管理機構の役割を果たすオートファジーを中心とする耳鳴分子ネットワークについて検討を行ったという経緯を説明しました。そして、本研究に於いて、内耳感覚細胞におけるBDNFシグナルとオートファジーを介した細胞死制御機構は、耳鳴発症に重要な役割を果たす可能性を確認することができたと結びました。
耳の手術を説明するページへ