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第27回 日本耳科学会総会・学術講演会で発表

平成29年11月22日から24日にかけて神奈川県のパシフィコ横浜に於いて開催された、第27回 日本耳科学会総会・学術講演会に当院の常勤医師が出席し、一般演題の発表を行いました。

弛緩部型真珠腫 鼓室洞進展例の検討(石井医師)

耳科手術執刀中の石井医師

石井医師は「弛緩部型真珠腫 鼓室洞進展例の検討」と題し、以下のような発表を行いました。

日本耳科学会 中耳真珠腫進展度分類『PTAM分類』が、前鼓室(S1)と鼓室洞(S2)の細分類を加えることで、国際規格『STAM分類』として採用されることが決定した。これに基づき、2009年4月から2015年3月までの6年間に当院で行われ、1年以上経過観察ができた弛緩部型真珠腫174例182耳のうち、S1およびS2に該当する87耳について、集計・検討を行った。

結果はS1が63耳、S2が24耳であり、アブミ骨病変は鼓室洞への進展例において重度な傾向があった。また、再発例は4例で全例がS1であり、全て鼓膜の内陥による再形成再発で、遺残性の再発はなかった。

当院の真珠腫再発率は緊張部型・弛緩部型を合わせて4%であるが、全てが再形成再発である。遺残性再発がなかったのは、当院の真珠腫性中耳炎に対する鼓室形成術は、基本的に外耳道後壁削除を行って、可能な限り鼓室洞を明視下に置き、真珠腫の母膜を破らず摘出するよう心がけていること、内視鏡を用いて真珠腫の遺残を可能な限り減らすよう心がけていること、の2点によると考えられる。

今後も遺残性再発を減らし、手術成績の向上を目指したい。

当院の過去3年間の真珠腫性中耳炎に対する鼓室形成術の件数

年度201520162017
件数745057

中耳結核の一例(田中医師)

耳科手術執刀中の田中医師

田中医師は「中耳結核の一例」と題し、以下のような発表を行いました。

症例は難聴と耳閉感を自覚し、その後、耳漏も認めたため3箇所の医療機関を受診するも、慢性中耳炎の確定診断に至るまでに2か月を要した。前医で手術を勧められたが4~5か月待ちのため、当院へ紹介となった。

初診時の鼓膜所見では大きな穿孔があり、側頭骨CTでは中耳から乳突洞にかけて炎症があるものの、一般的な慢性中耳炎と変わりはなかった。しかし、特徴的であったのは、鼓室内から穿孔の辺縁にかけて白色の分泌物が付着していたことで、これによって中耳結核を疑った。胸部レントゲン撮影では明らかな異常はなかったが、確定診断のため結核菌PCR検査を行ったところ、検体提出後5日で結核菌陽性との結果が出た。このため、結核病棟を有する施設へ紹介・入院となり、同施設で精査したところ、肺結核が上咽頭、耳管を経由しての中耳結核感染であることが判明した。

以上のように早期に中耳結核との確定診断ができたのは、前医でステロイドの点耳とマクロライド系抗菌薬が投与されていたため、結核菌が隠蔽されなかったことが功を奏した、と考える。また、PCR法は診断に至る期間が短く、診断率も高いので、中耳結核の診断に非常に有用であった。

中耳結核は診断・治療が遅れると感音難聴や顔面神経麻痺などの合併症を起こし得るほか、院内感染を引き起こす可能性もあるため、難治性中耳炎を診察した際には、PCR検査で結核菌の有無を確認することも考慮すべきである。

※尚、同症例は、結核の治療を受けた後、田中医師より鼓室形成術Ⅰ型の執刀を受け、無事に退院されています。
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