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神尾記念病院(東京都千代田区神田)は、耳鼻咽喉科疾患に対する高度医療を提供する専門病院です。




第23回 職員研修会を開催

平成25年6月20日に東京・市谷のアルカディア市谷(私学会館)に於いて、第23回 職員研修会を開催しました。

本会は毎年6月に職員全員参加を基本として行っているもので、内容は、当院院長の講話の後、外部からお招きした講師の方々に、耳鼻咽喉科領域をテーマとした学術講演、医療安全や院内感染など医療行為に付随する諸問題への対策などについてご講演を頂いています。

医療安全対策

小俣 貴嗣 先生

医療安全対策では、神奈川県立汐見台病院 小児科医長の小俣貴嗣先生に「食物アレルギー ‐最新の対応‐」と題し、耳鼻咽喉科病院という当院の特性を踏まえ、食物アレルギーの即時型症状を中心にご講演頂きました。

小俣先生は先ず、アナフィラキシーの定義、症状出現時の対応、原因抗原の比率、経口による免疫療法といった食物アレルギー全般について解説されました。

そして、臨床の現場での対応法として、患者さんの原因食物抗原を除去する際の留意点、抗原除去のレベル、調理・配膳時の留意点などの具体例を挙げて説明され、原因抗原の誤食・アレルギーの新規発症事故を防ぐためには、1.ヒューマンエラー対策 2.抗原の混入防止 3.献立の工夫 が肝要であると結ばれました。

院内感染対策

根井 貴仁 先生

院内感染対策では、日本医科大学付属病院 感染制御部の根井貴仁先生に「風疹大流行から学ぶ感染対策」と題してご講演頂きました。

根井先生は初めに、日本の風疹の発症者数が諸外国の数十~数百倍に上っている現状や、風疹ウイルスについて、感染から発症までの流れなどの基礎知識を説明されました。

その上で、風疹の一番の問題は、先天性風疹症候群(CRS)の子供が生まれる可能性があることだと指摘され、CRSが引き起こされる機序、症状、妊娠月別の発生頻度などから同疾患の恐ろしさを説明されました。

そして、CRSの根絶には予防接種の徹底が必要だが、現在20代半ば~30代前半の男女と30代半ば以上の男性は、制度の違いから予防接種を受けていない可能性があること、また、受けていた場合も時間の経過と共に免疫が低下するケースもあることなどから、抗体検査を受検した結果、十分な免疫がない場合は必ず予防接種を受けてもらいたいと強く説かれました。

最後に院内感染対策として、サージカルマスクの着用、風疹患者さんが出た場合には当該患者さんの隔離と接触した可能性のある他者(患者さんとスタッフ)の調査が必要だとされました。

学術講演

平子 雪乃 先生

耳鼻咽喉科の学術講演では、当院に於いて心因性の耳鼻咽喉科疾患が考えられる患者さんを対象とした「メンタルサポート・カウンセリング」を行っている、臨床心理士の平子雪乃先生に「身体科医療における心理士の役割」と題し、同外来の概要についてお話し頂きました。

平子先生は先ず、診察前に患者さんの症状、生活状況、健康状態、精神状態などを確認した上で、1回のカウンセリングで済むか、同外来の継続的な受診が必要か、心療内科医への紹介が必要か、脳の画像診断や内科的疾患の精査を目的としたその他の診療科への紹介が必要かなどの振り分けを行っていることを説明しました。

次に臨床心理士が果たす役割として、1.患者さんの身体・精神状態や環境の総合的な評価をすること、2.患者さんの症状と心理的な問題との関連性や、薬について分かりやすく説明すること、3.患者さん自身が「医師に治してもらう」と依存するのではなく、「自らも身体のケアを行う」という能動的な姿勢となるよう働きかけること、4.患者さんの話にじっくりと傾聴することで、患者さんが症状を受け入れ、自己を理解する手助けをすることを挙げられました。

そして同外来で行っているカウンセリングの具体的方法として、ストレスが過剰な緊張状態を生み出し、症状が強められるという状況の説明、症状を意識しすぎないようにすることで緩和を図ること、日常生活の中で症状出現の時間やきっかけ、強さの程度などを患者さんに一覧表へ記録してもらうことで、症状について理解を深めてもらうことなどを挙げられました。
 
※同外来受診には、当院医師からの紹介が必要となります。