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ホーム  > 耳鼻咽喉科の病気  > 耳鼻咽喉科領域の悪性腫瘍

耳鼻咽喉科領域の悪性腫瘍

耳鼻咽喉科領域には、聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚などの感覚器や発生装置など、重要な機能を持った器官がたくさんあります。また、脳、眼などに近いという位置的な関係からも、耳鼻咽喉科領域に発生した腫瘍は、進行すると、永久的な機能障害さらには生命をおびやかす場合も少なくありません。
重要な機能を持った器官が多いということは、そこに腫瘍が発生した場合、比較的早くから自覚症状が出やすいともいえます。
幸いなことに、内臓器官とは異なり、耳鼻科医は、直接または鏡やファイバースコープ、顕微鏡などを使って、鼻の奥やのどの奥まで腫瘍の有無を直に確かめることができます。したがって、異常を感じた時にすぐ専門医に診てもらえば、早期発見が可能な場合も多いのです。しかし残念なことに、現実には、症状が何ヵ月も続いているのにそれを放置して、いざ来院した時にはかなり進行しているという場合が多いようです。
耳鼻咽喉科領域にかかわらず、悪性腫瘍は、早期発見ができればあとの機能障害も最小限で済み、それほど恐ろしいものではありません。
ひと口に悪性腫瘍といっても、いろいろな種類があります。一般的に、ガン腫と肉腫が良く知られていますが、その中でも悪性度が高く、どんどん進行していくものから、何年もかかって徐々に大きくなるものまであります。また、現在はガンとはいえないが、将来ガンに移行しやすいという腫瘍もあります。診察して、疑わしい場合には、その部位を試験的に少しつまんで採り、顕微鏡で組織を調べれば、どんな種類なのかを正確に診断できます。
以下に、耳鼻咽喉科領域における代表的な悪性腫瘍について簡単に説明します。

喉頭ガン

全身の悪性腫瘍の中で2%、耳鼻咽喉科領域の悪性腫瘍の中で1/4を占めます。男性の喫煙者に多く発生し、男と女の比は10対1、しかもヘビースモーカーほど発生率は高いという報告があります。
初期の症状は、のどの異物感や声がかれるというのが一般的で、痛みはほとんどありません。これらの症状がしばらく続くときは、一度診察を受けられるとよいでしょう。大部分の喉頭ガンは放射線が良く効き、早期に発見すれば、機能障害をほとんど残さずに完治します。進行した場合は、手術が必要となりますが、発声機能を残す手術法も考えられています。また、喉頭をすべて取った場合でも、訓練により、再び声が出るようにすることが可能です。

鼻・副鼻腔ガン

喉頭ガンと同じく、耳鼻咽喉科領域のガンの1/4を占めます。副鼻腔の中の上顎洞から発生するものは上顎ガンと呼ばれ、骨に囲まれている空洞のため発見が遅れがちです。片方だけの鼻づまり、鼻出血などが初期症状として認められます。
ガンの発育方向によっては、物が二重に見えたり、頬が腫れたり、上あごが腫れたりしてくることがあります。ちくのう症と間違いやすいので、レントゲン写真で疑わしい場合には、断層写真その他の精密検査を受ける必要があります。
治療は、上顎洞に行っている血管から化学療法剤を持続的に注入する方法、放射線照射法および手術法の三者併用療法が主です。

舌ガン

舌の側面に発生することが多く、早期から痛みがくることがあります。舌にしこりや潰瘍(へこみ)があって治りにくい場合、専門医に相談する必要があります。最も発見しやすいガンの1つなのに、何ヵ月も放置してから受診する患者さんが多いのは残念です。初期の内なら、手術や放射線で治ります。舌は、半分位切り取っても機能的にはそれほど問題は残りません。

咽頭ガン

咽頭は、上咽頭、中咽頭、下咽頭に分かれています。そのいずれからもガンは発生しますが、上咽頭ガンは東南アジアでは非常に多く、日本でも南方ほど発生率が高いといわれ、ある種のウイルスとの関係が注目されています。咽頭ガンは症状が出にくいため発見は遅れがちです。のどの異物感、出血などがあれば注意して下さい。
咽頭には多くのリンパ組織が存在し、扁桃と呼ばれています。これらのリンパ組織からは悪性リンパ腫という悪性腫瘍が発生します。頚部に転移しやすいのが特徴ですが、化学療法や放射線治療が良く効き、初期のうちならそれほど恐ろしくはありません。扁桃の腫れ、頚部のリンパ節の腫れなどに注意しましょう。

頚部リンパ節腫脹

両側もしくは片側の頚部のリンパ節が腫れる場合、頸から上のどこかに強い炎症か腫瘍がある可能性が考えられます。それは、頭部、顔面のリンパ液の流れはすべて頚部に集まるからです。無痛性で動きの悪い頚部のリンパ節の腫れが徐々に大きくなるようなら、早めに専門医に診てもらった方がよいでしょう。頚部のリンパ節から発生するガンはまれなので、それより上のどこかに原発巣が存在する可能性が大きいのです。そのような場合、頚部リンパ節だけを取っても問題は解決されません。

その他、耳鼻咽喉科領域には、唾液腺、甲状腺、まれに中耳などからも悪性腫瘍が発生します。いずれにしろ、何か異常に気付いたら、迷わずに耳鼻咽喉科の専門医を受診することです。自分はガンではないかと気をもんで来院される患者さんのほとんどは、実際はガンではありません。それをはっきりさせれば、気分的に楽になれますし、例えガンであっても、早期なら十分に治し得ることを頭に入れておいて下さい。