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105 いびき
●いびきは軽口蓋の下垂が原因
いびきで、ご自身やご家族が悩んでおられる方はたくさんいらっしゃいます。いびきとは、睡眠中の異常な呼吸音をさすわけですが、どこからあのような大きな音が生ずるのでしょうか。
軽口蓋(のどちんこの周囲)と両側の扁桃腺と舌に囲まれた部分を口狭と言います。睡眠中、高齢、肥満になると誰でも筋肉が弛緩して、舌はのどに落ち込み、軟口蓋が下垂し、口狭がさらに狭くなり、上気道の呼吸抵抗が高くなります。呼吸のたびに下垂した軟口蓋が弁のような働きをして、いびきを生ずるのです。
原因はのどだけではありません。鼻呼吸の障害でもいびきをかくことになります。副鼻腔炎・鼻中隔湾曲症・アレルギー性鼻炎など鼻詰まりがある方にもいびきが多いのです。
●突然死の原因になることもある睡眠時無呼吸症候群
いびきは睡眠をともにする周囲の人に迷惑をかけます。「夫(または妻)にいわれた」、「結婚前に治しておきたい」、「友人と旅行に行けない」と訴えて来院する患者さんが多いのです。しかし、いびきはいびきをかくご本人の健康も非常に損ねていることを忘れてはなりません。
いびきの原因となるのどや鼻の病気が害になるだけではありません。いびきがひどくなると、睡眠時無呼吸症候群といって、大きないびきの後に呼吸が止まることを繰り返す病気になることがあります。この睡眠時無呼吸症候群は、肥満傾向の中年男性に多いのですが、女性・小児にも認められ、夜はいびきと無呼吸発作、昼は居眠りが多くなります。呼吸が止まっている間は血液中の酸素が減り、心臓・血管の負担となり、心肥大、チアノーゼ、狭心症、心筋梗塞、時に突然死の原因になりうることが最近知られてきました。
いびきを起こす病気とその治療について説明します。
【のどの病気】
口蓋扁桃肥大、アデノイド増殖症、舌根扁桃肥大等があり、これらに対しては、口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術、時に舌根扁桃切除術を行います。
【鼻の病気】
副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲症などがあり、薬物治療で効果がなければ、副鼻腔根治術、鼻中隔湾曲矯正術、下甲介切除術などを行います。
【口狭部狭小】
いびきの患者さんの多くは、軟口蓋の下垂、いわゆる“のどのつくり”に問題があります。これに対して行われるのが「いびきの手術」といわれる軟口蓋・口蓋垂形成術です。たるんだ軟口蓋および下がった口蓋垂を一部切除して縫い上げる手術で、全身麻酔下にて行い、入院は1週間位です。切除・縫合が難しい手術ですが、出血その他の危険はほとんどなく、効果が大であります。 ご自分の健康のため、ご家族のため、「たかが、いびき」とあなどらず、ご相談下さい。
●睡眠時無呼吸検査
近年、睡眠障害の恐ろしさに対する一般の知識が急速に高まりました。特に睡眠時無呼吸症候群は頻度も高く、成人男子においては約4%の罹患率であるといわれています。10秒以上呼吸が止まることを無呼吸といい、無呼吸が一晩に30回以上、あるいは1時間に5回以上起こり、様々な臨床症状を呈する状態を睡眠時無呼吸症候群といいます。この睡眠時無呼吸症候群は放置すると高血圧、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、脳卒中などを引き起こす可能性があります。
睡眠障害の客観的把握と障害の程度をチェックするため、当院では睡眠障害スクリーニング検査を行っております。
検査は原則的に1泊2日の入院で行います。まず入院前に、鼻咽腔ファイバー検査、一般血液検査、レントゲン検査、心電図、呼吸機能検査、鼻腔通気度検査等を行います。入院日は夜8時頃より睡眠時無呼吸モニターをつけていただき、翌朝6時頃までの約10時間の睡眠状態を測定します。実際の検査はセンサーを鼻の下、顎の下、指につけます。これにより鼻からの呼吸状態、気管音、動脈中の酸素の量、脈拍数を連続的に測定します。装置の着用により眠れないのではないかと不安に思われるかもしれませんが、実際には、ほとんどの人が熟睡されておられます。
検査終了後、結果は短時間で分かります。検査結果により患者さんに応じた治療方法を提示させていただきます。
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