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医療法人財団 神尾記念病院
Kamio Memorial Hospital Foundation
耳鼻咽喉科の病気・検査および治療
706 混合ガス治療

 内耳性難聴および後迷路性難聴に対しては、種々の治療を試みても治療効果が少なく、改善させることが大変困難であるとされてきました。しかし近年、種々の治療法が試みられ、効果が徐々に認められるようになってきました。
 治療の主体は、脳血液循環の改善、神経細胞の活性化などを目的とした保存的治療が主体になります。薬物療法、頚部に麻酔薬を注射する星状神経節ブロック、高濃度の酸素が充満した高圧酸素室での高圧酸素療法などがあります。これらと並ぶ治療法の一つに混合ガス療法があります。

●混合ガス療法

 混合ガス療法の原理は、純酸素に5%の炭酸ガスを混ぜたガス(混合ガス)を吸入することにより、脳に行く血管が拡張し、脳にたくさんの血液が流れるにともない、内耳への血流を増加、改善させるというものです。
 本院は、混合ガス療法の有用性に注目し、この治療法を取り入れています。難聴、耳閉感、耳鳴、めまいの患者さんに行い、良い結果を得ています。また、嗅覚障害、味覚障害にも応用し、良好な結果を得ています。

●混合ガス療法の方法

 患者さんはベッドに横になり、混合ガスを吸入します。原則として吸入時間は1回30分〜60分、1日1回、外来通院で行えます。患者さんによっては、内耳性難聴に有効といわれているステロイド・ホルモンや神経賦活剤などの薬物の点滴を同時に行う場合があります。これを10〜12回、連日行います。これが治療の1単位になっており、患者さんによっては日曜日にも行うことになります。難聴の程度や病気の種類によっては、入院して治療を行うこともあります。この場合、吸入回数も1日1回でなく、2回、3回とすることが可能となり、より強い効果が期待できます。
 混合ガス治療の効果は連日12回の混合ガス吸入終了後、4〜12週で認められることが多いようです。
 発症後、数年から10数年経過した症例や、混合ガス12回吸入後、数ヵ月後に再度症状が悪化してきた場合は、混合ガス吸入を反復して行うことになります。
 混合ガス療法、ステロイド・ホルモン、神経賦活剤の点滴、およびマスカー治療の組み合わせの決定は、精密な聴力検査やレントゲン検査などを行い、患者さんの病気の状態を正確に把握した上で、決めることになります。外来で行う場合は、予約も可能です。
 混合ガス治療は患者さんに与える危険性とか苦痛はまったくありません。むしろ、混合ガス自体に軽い睡眠薬同様の作用があるため、吸入している最中は安静を保つことができ、ストレスの解消に役立つことになります。

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