人工内耳と補聴器の違い
人工内耳と補聴器は、ともに聴力の低下を補うための装置ですが、その仕組みや使用方法にいくつかの違いがあります。
それぞれの特徴やメリット、デメリットについて紹介します。
それぞれの特徴やメリット、デメリットについて紹介します。
きこえの仕組みと難聴の種類
きこえの仕組み
音は外耳道から入って鼓膜を振動させ、耳小骨を経由して、内耳にある蝸牛に伝わります。蝸牛の中にある有毛細胞が刺激されることによって音は電気信号に変換され、聴神経から脳へと伝わり、音や声として認識されます。
外耳や中耳に原因があって聴こえが悪くなった状態を伝音難聴と言い、中耳炎や鼓膜穿孔がこれにあたります。伝音難聴は手術によって鼓膜の穴を塞いだり、中耳の炎症を取り除いたりすることで中耳の機能を回復させ、難聴の改善ができる場合があります。
一方、内耳または聴神経に原因のある難聴を感音難聴と言い、そのうち内耳の障害によって起きる難聴を内耳性難聴といいます。内耳性難聴は、音を電気信号に変換する有毛細胞の障害によっておきます。症状の固定した内耳性難聴を含めた感音難聴は、現代の医学で機能を回復させることは困難であることが現状です。
そこで、内耳性難聴に対しては、まず補聴器を装用することで対応します。そして、補聴器の装用効果が不十分な方には人工内耳を検討します。
外耳や中耳に原因があって聴こえが悪くなった状態を伝音難聴と言い、中耳炎や鼓膜穿孔がこれにあたります。伝音難聴は手術によって鼓膜の穴を塞いだり、中耳の炎症を取り除いたりすることで中耳の機能を回復させ、難聴の改善ができる場合があります。
一方、内耳または聴神経に原因のある難聴を感音難聴と言い、そのうち内耳の障害によって起きる難聴を内耳性難聴といいます。内耳性難聴は、音を電気信号に変換する有毛細胞の障害によっておきます。症状の固定した内耳性難聴を含めた感音難聴は、現代の医学で機能を回復させることは困難であることが現状です。
そこで、内耳性難聴に対しては、まず補聴器を装用することで対応します。そして、補聴器の装用効果が不十分な方には人工内耳を検討します。
補聴器の特徴
補聴器は、マイクから拾った音を増幅させる装置で、言わば拡声器のような働きをしています。音を大きく聞こえるようにする装置ですので、聴力がある程度残っている方には有効ですが、内耳(有毛細胞)の障害の程度によっては、あまり効果が得られない場合があります。
補聴器のメリットとデメリット
補聴器は手術の必要がなく比較的手軽に試すことができますが(当院の補聴器外来では、購入前に貸し出し期間を設けています)、内耳の障害の程度によってはあまり効果を得られない場合があります。
人工内耳の特徴
人工内耳による、音の伝わる経路
人工内耳は、マイクロフォンやスピーチプロセッサー(音声処理装置)などの体外装置と、受信装置や電極などの体内装置(インプラント)に分けられます。インプラントは手術によって耳の中に埋め込まれます。
マイクロフォンによって集められた外部の音や声は音声処理装置で電気信号に変換され、その信号が送信アンテナを介してインプラントへ送られます。インプラントに送られた信号は、内耳(蝸牛)の中に入れた電極で聴こえの神経を直接刺激し、音の感覚を与えるという仕組みです。従って、内耳に障害があっても聴神経が機能していれば音を感じ取ることができます。
マイクロフォンによって集められた外部の音や声は音声処理装置で電気信号に変換され、その信号が送信アンテナを介してインプラントへ送られます。インプラントに送られた信号は、内耳(蝸牛)の中に入れた電極で聴こえの神経を直接刺激し、音の感覚を与えるという仕組みです。従って、内耳に障害があっても聴神経が機能していれば音を感じ取ることができます。
人工内耳のメリットとデメリット
人工内耳は内耳(有毛細胞)に障害があっても音を感じ取ることができますが、手術を必要とするため、術後の一時的なめまいなどのリスクを伴います。また、インプラントを体内に埋め込む必要があるため、補聴器のように事前に「どのような聴こえになるか」を試すことができません。
まとめ
以上のように、人工内耳と補聴器には、それぞれメリット・デメリットがあります。
また、人工内耳手術を受けることができるか否かは、聴力の程度によって決まります。
聴こえについてお悩みで、人工内耳の手術や補聴器の装用を考えておられる方は、一度、耳鼻咽喉科を受診されることをお勧めします。
また、人工内耳手術を受けることができるか否かは、聴力の程度によって決まります。
聴こえについてお悩みで、人工内耳の手術や補聴器の装用を考えておられる方は、一度、耳鼻咽喉科を受診されることをお勧めします。
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