耳鼻咽喉科の救急処置
耳鼻咽喉科疾患の救急処置には、医師が診療しなければならない場合と、皆さんにもできる場合とがあります。
ここでは、皆さんでできる救急処置について説明します。
ここでは、皆さんでできる救急処置について説明します。
1.鼻出血
お子さんの場合
鼻血はお子さんにも大人の方にも起こる症状です。まず、お子さんの鼻血についてお話しましょう。
お子さんの鼻血は多くの場合、鼻中隔(左右の鼻を分けている真ん中の仕切り)の粘膜から出血します。また、鼻中隔の前方、鼻の入り口から1cm入ったところからの出血がほとんどです。
この場合、椅子にかけさせ、やや下方向に顔を向け、小鼻を中心に鼻全体を親指と人差し指挟んで10分間しっかり押さます。このようにしていただけれは、ほとんどの鼻血は止まります。
お子さんの鼻血は多くの場合、鼻中隔(左右の鼻を分けている真ん中の仕切り)の粘膜から出血します。また、鼻中隔の前方、鼻の入り口から1cm入ったところからの出血がほとんどです。
この場合、椅子にかけさせ、やや下方向に顔を向け、小鼻を中心に鼻全体を親指と人差し指挟んで10分間しっかり押さます。このようにしていただけれは、ほとんどの鼻血は止まります。
大人の場合
次に大人の場合です。基本的にはお子さんと同様に鼻中隔の前方で出血していることが多いです。出血が起こったら、まずお子さんの場合の止血法と同様に行ってみて下さい。
それでも出血が止まらない場合には、救急病院を受診して下さい。高血圧や抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)の内服で鼻血が止まりにくくなっている方がいらっしゃいます。鼻血が繰り返すような場合には、本来の外来診療時間に耳鼻科を受診して診察を受けることをお勧めします。鼻中隔の血管の異常の場合には電気凝固治療(電気で出血の原因となった血管を焼いてしまいます)が必要です。
また、高血圧がある場合には、内科での治療も必要です。
それでも出血が止まらない場合には、救急病院を受診して下さい。高血圧や抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)の内服で鼻血が止まりにくくなっている方がいらっしゃいます。鼻血が繰り返すような場合には、本来の外来診療時間に耳鼻科を受診して診察を受けることをお勧めします。鼻中隔の血管の異常の場合には電気凝固治療(電気で出血の原因となった血管を焼いてしまいます)が必要です。
また、高血圧がある場合には、内科での治療も必要です。
2.急性中耳炎
風邪をひいていたり、風邪ぎみのお子さんが急に耳を痛がった場合には、急性中耳炎が疑われます。時には耳から膿や水様の耳だれが出てきます。夜間に発症することが多いのも特徴です。
この様な症状をお子さんが訴えた場合には、特に薬のアレルギーがなければ、まず市販の小児用バファリンを飲ませてみて下さい。それで痛みが収まれば、そのまま寝かせて、翌朝耳鼻科を受診して下さい。
この様な症状をお子さんが訴えた場合には、特に薬のアレルギーがなければ、まず市販の小児用バファリンを飲ませてみて下さい。それで痛みが収まれば、そのまま寝かせて、翌朝耳鼻科を受診して下さい。
3.めまい
めまいの多くは、耳の中のバランスを司る神経の異常によって起こります。
特に難聴や耳鳴りがめまいとともに起こった場合には、耳の神経が原因でめまいが起こっている可能性が高いと考えられます。
めまいが起こると吐き気がし、時には吐いてしまいます。冷や汗が出ることもあります。まずは横になってしばらく休みます。ほとんどのめまいは長くても数時間で収まってきます。昼間であれば耳鼻科をすぐ受診していただき、夜であれば翌日診療時間内に耳鼻科を受診して下さい。
特に難聴や耳鳴りがめまいとともに起こった場合には、耳の神経が原因でめまいが起こっている可能性が高いと考えられます。
めまいが起こると吐き気がし、時には吐いてしまいます。冷や汗が出ることもあります。まずは横になってしばらく休みます。ほとんどのめまいは長くても数時間で収まってきます。昼間であれば耳鼻科をすぐ受診していただき、夜であれば翌日診療時間内に耳鼻科を受診して下さい。
ただし、意識がなくなったり、ろれつが回らなかったり、手や足がしびれたりする場合には、脳の出血や梗塞によるめまいの可能性がありますので、救急車で脳外科や救急科を受診しましょう。
4.突発性難聴
“病気の説明”のなかでも簡単に説明しましたが、突発性難聴は急に聞こえが悪くなり、めまいや耳鳴りを伴うこともある病気です。
病気がはじまってから数日以内に治療を始めると比較的回復しやすい病気です。病気が始まってから2週間以上放っておくとその後に治療してもなかなか治りにくい病気です。
ですから、耳が聞こえなくなったら放置せず、発症当日あるいは翌日には耳鼻科を受診して下さい。聴力検査やめまいの検査ができる昼間の診療時間内に受診されることをお勧めします。
病気がはじまってから数日以内に治療を始めると比較的回復しやすい病気です。病気が始まってから2週間以上放っておくとその後に治療してもなかなか治りにくい病気です。
ですから、耳が聞こえなくなったら放置せず、発症当日あるいは翌日には耳鼻科を受診して下さい。聴力検査やめまいの検査ができる昼間の診療時間内に受診されることをお勧めします。
5.顔面神経麻痺
“病気の説明”の中でも簡単に説明しましたが、顔面神経麻痺にはいくつかの原因があります。
その中で「ベル麻痺」という原因不明の顔面神経麻痺と、ウイルスが原因で起こる「ハント症候群」という病気は早めの治療が顔面神経麻痺の回復に大きく影響します。
したがって、"突発性難聴"と同様に早めに耳鼻科を受診して下さい。
その中で「ベル麻痺」という原因不明の顔面神経麻痺と、ウイルスが原因で起こる「ハント症候群」という病気は早めの治療が顔面神経麻痺の回復に大きく影響します。
したがって、"突発性難聴"と同様に早めに耳鼻科を受診して下さい。
6.のどの異物
一番良くあるのは、魚の骨がのどに刺さってしまった場合です。この場合には、ご飯の固まりを飲み込んだりせずに、早めにお近くの耳鼻科を受診しましょう。
そのほかによくある異物は、薬を包んでいるプラスチックケース(PTP:press through pack)や入れ歯、おもちゃ、ボタン電池などです。いずれも医療機関で取り除いてもらうことが必要ですが、特にボタン電池の場合には電池の種類によってのどや食道の粘膜が腐食し、潰瘍を起こすので、できるだけ早く救急病院を受診しましょう。
そのほかによくある異物は、薬を包んでいるプラスチックケース(PTP:press through pack)や入れ歯、おもちゃ、ボタン電池などです。いずれも医療機関で取り除いてもらうことが必要ですが、特にボタン電池の場合には電池の種類によってのどや食道の粘膜が腐食し、潰瘍を起こすので、できるだけ早く救急病院を受診しましょう。
7.鼻の異物
乳幼児が自分の鼻の穴の中におもちゃや木の実などを入れてしまうことがほとんどです。特におもちゃのピストルの玉は取れにくく、耳鼻科での摘出が必要です。また植物では鼻の中の水分を吸収して、異物が鼻の中で脹れて取れにくくなります。
鼻の中の異物は、さらに吸い込んでしまうと、肺に入って、取り除くことが大変難しい状況にもなりかねません。
お子さんには普段から、ふざけて異物を耳や鼻の穴の中や口に入れないよう、注意をしておきましょう。
鼻の中の異物は、さらに吸い込んでしまうと、肺に入って、取り除くことが大変難しい状況にもなりかねません。
お子さんには普段から、ふざけて異物を耳や鼻の穴の中や口に入れないよう、注意をしておきましょう。
8.耳の異物
耳の中の異物でよくみられるのは、鼻のところでもお話しましたおもちゃのピストルの玉と虫です。耳の穴の中はまっすぐではなく、また広い部分と狭い部分(右図参照)があり、丸いものは非常に取れにくいので、お近くの耳鼻科を受診して下さい。
虫の場合は、虫が耳の中で動くので、とても痛くなるのが特徴です。懐中電灯を耳に当てると光に向かって虫が飛び出てくることもありますが、出てこない場合には耳鼻科を受診して下さい。
虫の場合は、虫が耳の中で動くので、とても痛くなるのが特徴です。懐中電灯を耳に当てると光に向かって虫が飛び出てくることもありますが、出てこない場合には耳鼻科を受診して下さい。