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小児難聴・言語障害


子どもの難聴とことばの遅れ

乳幼児期から難聴があると、ことばの発達が遅れることが、よく知られております。 ただし難聴児はことばを覚える能力が低いわけではありませんから、 幼児期の早いうちに難聴を発見して言語指導を始めますと、ことばは必ず発達してきます。
しかし難聴を見過ごしたままでいると、言語発達の遅れのために学校教育についていけないといった 深刻な問題が出てきます。

ことばの遅れた子どもは聴力検査で確認を

難聴は非常に判りにくい障害といわれます。難聴が重い場合には、呼んでも、 あるいは大きな音をたてても振り向かないということで、早くに気付かれる傾向がありますが、 難聴が中程度か軽度の場合は人の声には結構反応しますので気付かれ難く、 むしろ言語発達遅れと扱われて、難聴が見過ごされてしまう場合が少なくありません。 したがって、ことばの遅れた子どもについては、聴力検査を行って難聴の有無を確かめておくことが大切になります。
とはいえ、ことばの遅れがすべて難聴が原因というわけではありません。 ことばの遅れは難聴以外にもいろいろな原因で生じます。 「きこえが悪い」と「ことばが遅い」はいずれも症状ですが、 これらの原因との間には次のような関係があります。

これらのうち特異的言語発達遅滞というのは、難聴や精神発達の遅れがないのに、 言語だけが特別に遅れた子ども達です。 これらの子どもも言語理解の発達に問題がない限り、 ことばはいずれ発達してきます。脳の発達が関係してことばの発達が遅れる子どもでは、 脳の成熟を待つ必要がありますが、難聴児の言語発達の遅れは脳の問題ではなく、 ことばが聞こえないために生じる問題ですから、 その他の言語発達の遅れとは区別して扱わなければなりません。
難聴があるかどうか、また難聴がある場合はどの程度かを知るには聴力検査が必要です。 聴力検査は今日では乳児でもできます。 難聴と判ったお子さんには補聴器をつけて聴能訓練を始めますが、これも乳児期から可能です。

難聴児に効果的なホームトレーニング

難聴児を教育するに当たっては、親の役割は非常に大きく、このためには難聴児をどのように育てたらよいか、親御さん自身も勉強する必要があります。私はこれをホームトレーニングと称して、そのためのプログラムを30年以上前から実践してきました。このプログラムに参加した人は2,000人を超えましたが、その結果これらの子どもの中から高等教育を受け、社会人として自立した人が続々と出てきています。こうなるためには、難聴の早期発見、対策が欠かせません。加えて親御さんの努力、家族のサポートも絶対不可欠であることを再度強調しておきたいと思います。 (文責:田中美郷)

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